2020年2月27日木曜日

宇多田ヒカル - 真夏の通り雨


夢の途中で目を覚まし 瞼閉じても戻れない
さっきまで鮮明だった世界 もう幻
汗ばんだ私をそっと抱き寄せて たくさんの初めてを深く刻んだ
揺れる若葉に手を伸ばし あなたに思い馳せる時
いつになったら悲しくなくなる 教えてほしい
今日私は一人じゃないし それなりに幸せで
これでいいんだと言い聞かせてるけど
勝てぬ戦に息切らし あなたに身を焦がした日々
忘れちゃったら私じゃなくなる 教えて 正しいサヨナラの仕方を
誰かに手を伸ばし あなたに思い馳せる時
今あなたに聞きたいことがいっぱい 溢れて 溢れて
木々が芽吹く 月日巡る 変わらない気持ちを伝えたい
自由になる自由がある 立ち尽くす 見送りびとの影
思い出たちがふいに私を 乱暴に掴んで離さない
愛してます 尚も深く 降り止まぬ 真夏の通り雨
夢の途中で目を覚まし 瞼閉じても戻れない
さっきまであなたがいた未来 たずねて 明日へ
ずっと止まない止まない雨に ずっと癒えない癒えない渇き

※2016年7月23日夜のこと、自宅の布団の上で25年連れ添った妻が死んだ。家の中にいたのに誰も傍に居て手を握っても声を聴いてあげることもできなかった。一人で逝っちまった。病院から帰ったら死ぬよと医者から言われたはずなのに、油断していた。病院から本人の希望で逃げるように夕方、自宅に帰ってきた。その2時間くらい後…。
何かを、医者の態度も含めていろいろ拒絶していたのかもしれない。もっと想像すべきだった…。
その後の鬱々とした日々の中でこの歌が胸に染みてきた。人には失ってはじめて解ることや、体験しないと実感できないこともあるらしい…。娘にこの歌が好きだと言ったら、娘も好きだと言った。

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