2022年12月3日土曜日

第18回 ベーシックインカムって何?実現の可能性は?再び定額給付金は?

現在の財務省の財政破綻論を批判してる、数学者になりたかった高橋洋一さんだが、かつて経済学者ベン・バーナンキに学び、政府や財務省の内部にいて事情通。僕みたいなド文系の理解は、実際の政策実行にはやっぱり疎い。こういう現実的意見にはそうなんだぁ…耳を傾けなきゃと思う。
ベーシックインカムって実際の制度設計する場合、持続的にやるのは難しいようでやってる国は無いらしいのだ。
1ヶ月1人10万円を配っていく場合、1年で120兆円の財源。まあ、たぶんやっても2年限定ぐらいかなぁ…持続的には難しいらしい。デフレの時はやったほうがイイと思うけど(インフレ率2~4%までなら行ける)…。でも、立て直すために定額給付金ってことでそれやってほしいなぁ…。
年金・医療は保険~困ってる人に限定的に配る考え方。生活保護を含めて、生活安全保障上、やっぱりあった方がイイことは解る。これを政府が保証するってことだけど、これを壊し民間に任せるってことは、ホントに困ってる人たちを勘定に入れなくなるのでダメだと改めて確認。

お金を刷ってばら撒けばいいのだが、日銀の当座預金に溜まってる(マネタリーベースのお金の量を増やす)だけじゃダメんなんじゃないかなぁ…。政府の財政政策で市中に投資して(お金を国民のために実際に使って)ばら撒かないと、ばら撒いたことにならないんじゃない? 高橋さんの淀みない話は一見解り易いが、でもなんでこんな長らく国民が苦しんでる感じになってるのかなって思うと、少し腑に落ちない…※1 ばら撒けば、需要も増えるし税収も増えると思うのだが…※2

  ※1 腑に落ちないので、ここは池井戸さんの意見を参考に、思考訓練してみよう…。やっぱり、新自由主義のフリードマンを評価してたバーナンキに習った高橋さん…リフレ派って、何となく物腰や態度がイケスカナイ人が多いのは、僕の偏見かなぁ…1ヶ月1人10万円を4年続けて配っても、なかなかインフレにはならないって参議院の調査情報担当室の試算もあるようだ…。

  ※2 リフレ派に要注意/ 室伏謙一(政策コンサルタント/室伏政策研究室代表) によると、積極財政派とされる議員たちの主張の中には大きく分けると二つあるそうです。
   
         ① 正しい貨幣観を持ち、税は財源ではなくあくまで政策調整の手段であり、国債は通貨発行の形式であって借金ではないことを理解している議員たち。

問題は以下の②のお金や人をモノとして扱う連中…
   ② 貨幣観は正しい人も間違っている人もいるが、税は財源であって国債は借金(少なくとも資金調達の手段)であると考えている議員たち~この議員たちはまるで緊縮財政派のようですが、それでも積極財政を主張するのは、簡単に言えば、まだ金利が低いし、日本経済を成長軌道に戻せば将来的に税収も増える…②の議員たちの頭の中では成長して税収が増えるれば、歳出拡大以外の手段・方法もありうるということになり、そこに「改革」が入ってきてしまいうるのです。実際彼らは、例えば、成長のためには解雇規制の緩和を実現せよと繰り返し主張。解雇規制が緩和されれば労働移動が活発になって、成長産業に人が行くので、成長するという話なのですが、そんなものは机上の空論に過ぎません。そもそも人はモノや部品ではないので、そう簡単に別の仕事をしようとしてもできるわけではありませんし、成長産業となるためには、それを支える技術等開発するためには、大規模・長期・計画的な国の投資が必要ですし、開発者たちのための安定した雇用環境が必要です。解雇規制の緩和はそれと正反対のことをやろうというもので、その実は、解雇を簡単にすることで人件費を削減しよう、人をコストの調整弁に使おうということを目指すもの。成長産業云々はただの方便に過ぎません。(日本は解雇規制がしっかりしている中で発展・成長を遂げてきましたしね。) そんな彼らの正体はと言えば、リフレ派と呼ばれる人たちです。かつてのみんなの党はまさにリフレ派でしたし、日本維新の会もその方向性を持っています。アベノミクスもリフレ派がブレーンとして入って立案されたものです高橋洋一がそうかぁ…)。したがって、3本目の矢として「成長戦略」と称した規制緩和が入っていたのです。 積極財政推進という点で彼らと合従連衡するのはいいですし、あえて仲違いをする必要はありませんが、先を見据えて、彼らの主張には注意しておきましょう。

以下、【参考資料】です。

【打倒!!緊縮財政】「MMTは私のパクリ」高橋洋一をわかりやすく論破してみた[前編](池戸万作)
【打倒!!緊縮財政】デフレでも問題ない?高橋洋一に徹底反論![後編](池戸万作)
高橋洋一氏のMMT批判の反論(183)【経済の仕組み】
高橋洋一氏とMMTの理論の違い(188)【経済の仕組み】

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